チャートにラインを引くとき、ヒゲを含めるか、実体に引くのか、まだ自分のルールができていないと悩みますよね。
この問題は1986年に発売された書籍『Technical Analysis of the Futures Markets』にも書かれているくらいなので、かなり昔から議論されてきたようです。

結論から言うと、明確な正解はありません。
自分もテクニカル分析の書籍はたくさん読みましたが、ざっくりこの4パターンの人に分かれると思ってます。
大きく分けると4つの考え方がある
- ヒゲを含める派
- 実体に引く派
- ラインにローソク足が接触している回数が多いほうを選ぶ派
- 両方に引いてゾーンとして考える派
まだテクニカル勉強中の人は、チャートの検証するときに、どれかに統一したほうが考えがブレずに済むので、自分にあったやり方を見つけてみてください。
ヒゲも含めてトレンドラインを引く理由
先ほど紹介した書籍『Technical Analysis of the Futures Markets』を改訂して先物市場以外のマーケットにも対応した『Technical Analysis of the Financial Markets』を日本語訳した『マーケットのテクニカル分析』のほうが日本語がわかりやすくなっているのでそちらから引用します。
そこには「高値や安値をつなげて引くのがよい」と書かれています。
チャート上にトレンドラインを引く場合、1日の値幅の高値や安値をつなげて引くのがよい。チャート分析者のなかには、終値のみをつなげてトレンドラインを引く者もいる。だが、それは標準的なものではない。確かに終値は日中で最も重要な価格である。しかし、それは日中の値動きのほんの一部を表しているにすぎない。1日の値幅をすべて含める手法は値動きのすべてを考慮に入れており、より一般的な手法である。
終値(実体)も重要だけどそれは値動きの一部であり、高値や安値ということはヒゲも含めるのが一般的だということが書かれています。
バーチャートを使っている人も多いのでヒゲも含めるトレーダーは多い
日本ではローソク足チャートが一般的ですが、海外ではバーチャートを使ってトレードしている人も多いです。
ローソク足だと、下のチャートのように下ヒゲがあるとヒゲを含めるかどうか悩むことがあります。

まったく同じチャートをバーチャートで表示するとこうなります。

バーチャートだとヒゲから引くほうが自然なので、世界のトレーダーの一定数はヒゲを含めたラインを引いてトレードしていることになります。
たくさんの人が意識するからトレンドラインが機能するので、やはりヒゲも簡単に無視はできないと思います。
実体にトレンドラインを引く理由
トレーダーが意識する終値や始値に合わせてラインを引くことになるので、安定したラインを引くことができます。
指標の発表などのイベントがあると、一時的に価格が乱高下して長いヒゲが出ることもあり、ヒゲに合わせてトレンドラインを引く場合、それがノイズになることがあります。

ヒゲに引いたトレンドラインより実体に引いたラインのほうが機能するときもあります。
ヒゲ・実体にこだわらず接触回数で選ぶ理由
どちらか一方にこだわらず、トレンドラインを引いてみて、ローソク足がラインに接触している回数が多い引き方をする人もいます。
トレンドラインに反応しているということは、そのラインが意識されているということになるので、重要なラインと考えていいと思います。
たくさんの人が意識していることが重要なので、この方法も有効だと思います。
ヒゲからも実体からも引いてゾーンにする理由
ヒゲを含めたラインを外側に引き、それと平行の線を実体に合わせて引き、その間をトレンドラインゾーンとして考えるやり方。

FX、CFD、暗号資産などは取引所によってチャートが若干違います。
ヒゲの位置や実体の位置も取引所により微妙に変わるので、自分の見ているチャートのトレンドラインでぴったり止まるとは限りません。
なので、ある程度ざっくりとした「この辺でどうなるかな?」という感覚を持つことは大事です。
初心者にはヒゲに引く方法がおすすめ!
まだトレードを学び始めたばかりの初心者さんには、シンプルにヒゲを含めて引く方法がおすすめです!
毎回違うラインの引き方をするのはよくないと考えています。
実際にトレードしていると「早くエントリーしたい」「ロスカットしたくない」という気持ちから、そのときに都合の良いラインを引いてしまいがちです。
ですので、しっかりと自分のルールを決めることをおすすめします!
